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AI時代だからこそ、経営者が手放してはいけない仕事

事例紹介

生成AIの活用が、企業経営のさまざまな場面に広がっています。

情報収集、資料作成、データ整理、アイデア出しなど、AIは非常に有効な道具です。私自身も活用しています。
しかし、AIの活用が広がる今だからこそ、経営者が改めて考えるべきことがあると思います。

それは、「何をAIに任せ、何を経営者自身が担うのか」ということです。

■ AIを使うこと自体が目的になっていないか
新しい技術が登場すると、「とにかく使わなければ遅れる」という空気が生まれることがあります。
しかし、AIを導入すること自体が経営の目的ではありません。

何を解決したいのか。
どんな経営課題があるのか。
そのためにAIをどこで使うのか。
この順番が大切です。

目的が曖昧なままAI活用だけを進めれば、現場には新しい資料や指示、ルールが増えていきます。

それが何のためなのか分からなければ、社員にとっては仕事が効率化するどころか、新たな混乱を生むことにもなりかねません。

■ 経営者がAIに任せてはいけないこと
私は、少なくとも次のようなことは経営者自身が担うべきだと考えています。

会社の方針を決めること。
社員に判断基準を示すこと。
人事評価の考え方を明確にすること。
社員と対話すること。
そして、最終的な経営判断をすること。

AIから提案を受けることはできます。
しかし、その内容が自社に本当に適しているのかを考え、判断するのは経営者です。

AIが生成した内容を十分に理解・検証しないまま社員に展開すれば、現場は「なぜこれをやるのか」「何を基準に判断すればよいのか」が分からなくなります。

■ 本当に怖いのは、人の心が離れていくこと
私がより懸念するのは、現場の混乱だけではありません。
社員は、経営者の言葉を意外なほどよく見ています。

これは本当に経営者自身が考えたことなのか。
現場の状況を理解したうえでの判断なのか。
自分たちの声を聞こうとしているのか。

経営者自身の意思や思いが見えなくなり、AIでつくられたような資料やメッセージだけが次々に降りてくる。
その状態が続けば、社員は次第に「またか」と感じるようになるかもしれません。

そして怖いのは、表面的には指示に従っていても、心の中では経営から離れていくことです。

組織は、指示だけでは動きません。
人が「この会社で頑張ろう」「この人たちと一緒にやろう」と思えること。
その土台にあるのは、やはり人と人との信頼だと思います。

■ 現場を動かすのは、最後は人である
これは製造現場でも同じです。
どれだけ優れたシステムやAIを導入しても、現場で働く人たちが目的を理解し、納得し、自分たちの仕事として動かなければ成果にはつながりません。

経営者が方向を示す。
管理者がその意味を理解する。
現場と対話する。
そして、実際の行動につなげる。

そのうえでAIを使うからこそ、AIは経営や現場を支える強力な道具になります。

■ AI時代だからこそ、経営者の役割は重くなる
AIが進化すればするほど、経営者が考えなくてよくなるわけではありません。

むしろ、多くの情報や選択肢が瞬時に提示される時代だからこそ、

何を選ぶのか。
何を捨てるのか。
何を会社として大切にするのか。

経営者自身の判断が、これまで以上に重要になるのではないでしょうか。
AIは経営者の思考を助けることはできます。

しかし、社員の気持ちを受け止めることも、信頼関係を築くことも、経営判断の責任を取ることも、経営者に代わって行うことはできません。

AIを使う。
しかし、AIに経営を預けない。
そして、便利さと引き換えに、人の心を置き去りにしない。

AI時代だからこそ、経営者自身が考え、自分の言葉で方針を示し、社員と対話する。
それが、新しい技術を本当に経営に生かすための出発点だと考えています。

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